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【点検付き洗車etc】USED CANYON

今回は、手に入れたばかりのUSED CANYONの【洗車・点検】をご依頼いただきました。
完成車の段ボールに入ったままの状態でお持ち込みいただき、見た目にはホイールとペダルを取り付ければすぐにでも乗り出せそうな印象でした。
しかし当店では、安全・快適にお乗りいただくためにもオーバーホールをおすすめしております。
とはいえ、今回は使用歴が非常に浅い自転車であるとのことで、オーバーホールまでは不要とのご判断により、【洗車・点検】メニューでの作業となりました。
まずは各部の状態を確認しながら、洗車作業を進めていきます。
点検の中で、以下の点を確認しました:
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✅ ブレーキの仕様が右レバー=リアブレーキ(日本仕様とは逆)
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✅ フロントディレイラーのサポートスクリューが未調整
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✅ リアディレイラーのストロークアジャストスクリューも未調整
どれも直しておいたほうが良いポイントですが、特にブレーキの仕様については、とっさの操作時の安全性に直結する重要な部分です。
そのため、お客様のご了承をいただき、日本仕様(右レバー=フロント)へ変更させていただくことになりました。
なお、今回は一体型ハンドル+ブレーキホース内装タイプのため、作業には多少の工数がかかり、追加費用が必要となります。あらかじめご了承ください。
作業途中の風景です。
今回のバイクは分割タイプの一体型ハンドルで、内部でブレーキホースが左右に分岐する構造になっています。そのため、仕様変更の際には一度ブレーキホースを完全に抜き取り、再度通し直す必要があります。
専用の配線用工具を使って慎重にホースを通していくのですが…内部には90度のカーブが2か所もあり、これがなかなかの難所。
正直なところ、日頃の行いが悪いと絶対に通ってくれません。
ですので私などは、CANYONのハンドル作業を控えた3日前から家庭内での徳積みに励みます。
「風呂に入れ」と言われたら素直に入り、「ゴミ出して」と言われたら即座に対応。
——そう、ブレーキホースのスムーズな通り道は、日々の行いから始まっているのです。
そうして無事にブレーキホースが通りましたら、次はブレーキフルードの充填とエア抜き作業に移ります。
その途中、リアブレーキキャリパーを取り外した際に気づいたのが、キャリパー固定ボルトに不要なスペーサーが装着されていた点です。
このスペーサーが原因で、ボルトがキャリパー内のボルト固定ピンにきちんと届いておらず、ボルト抜け落ち対策が不十分な状態でした。
安全性にも関わる重要な部分ですので、スペーサーは取り外し、適正な状態で再固定いたしました。
その後、ブレーキの調整をしようとホイールを取り付けたところ、今度はフロントホイールが回りません。
最初はブレーキパッドが干渉しているのかと思いましたが、実際にはディスクローターのロックリングがフロントフォークに当たっていました。
そもそも、この自転車はどうやって使われていたのだろうかと、ふと疑問が頭をよぎりましたが、ロックリングを【外セレーション】から【内セレーション】タイプに変更し、ブレーキの調整を行ったところ、無事にホイールがスムーズに回るようになりました。
その他、細かな部分も確認・調整しながら、作業完了となりました。
分解しないと確認できない箇所も多く、ここまでしっかり手を入れると、実際にはオーバーホールとの費用差もそれほど大きくはありません。
そのため、状態が不明なUSEDバイクの場合は、やはり最初にオーバーホールを行っておくのがおすすめです。
安心して気持ちよく乗り出すための第一歩として、ぜひご検討ください。
また何か気になる点などありましたら、いつでもお気軽にご来店ください!