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【メンテナンス】ブレーキフルード漏れ

お盆休みも終わり、営業しております。
先日の点検時に、ブリードニップルが締まっているにもかかわらず付近にブレーキフルードのような滲みが見られたお客様のバイク。その後しばらく様子を見ていただいておりましたが、再度ご来店いただき再確認したところ、やはり滲みが確認されました。
そのため、ブリードニップルとOリングを交換いたしました。作業自体は取り外し・取り付けで完了しますが、付随してブレーキフルードの交換も必要となるため、いったんお預かり。
現在は作業を完了しておりますが、念のためもう少々様子を見させていただき、再度滲みがないことを確認したうえでお返しとさせていただきます。
もう片方のキャリパーのブリードニップルキャップが千切れていたため、こちらも併せて交換させていただきました。
以上で作業完了となります。ご依頼ありがとうございました。
【ハンドル交換】CANYON T-BAR

CANYONのハンドル交換をお預かりしました。今回はハンドル全体ではなく、中心部分の【T-BAR】を交換し、ステム角度や長さを変更します。
作業はまず、STIレバーの固定ボルトを緩め、ブレーキホースがレバーに接続されたままハンドルからレバーを外し、ハンドル内部などにブレーキホースの余長があるか確認します。
ブレーキホースを着脱する際は、既存のコネクティングインサート部分をカットする必要があります。今回の場合
-
コネクティングインサート分:1cm
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コラムスペーサー追加分:1cm
合計で2cmの余長がないと、ホースの再利用はできません。
今回お預かりしたCANYONの車種は、フレーム内部でホースが暴れないよう、ダウンチューブ内部で結束バンドにより固定されています。
そのため、ホース交換となると付帯作業も含め、かなりの長時間作業になります。
可能な限りホースを再利用したい――いや、するんだ!
やればできる、さあ確認だ!
普通に全く足りなかったので、新品ホースへの交換作業に移ります。
↑T-BAR
T-BAR内部にブレーキホースを通す際は、2箇所の90°カーブに加え、あらかじめヘッド周りの小物を装着した状態でホースを通す必要があります。さらに、前後ブレーキで通す穴も異なり、もはやT(トリッキー)-BAR。
しかも、パソコンで楽しむ“ティーバー”のように「あっ!10秒戻って!」は不可。
一度のミスが、さらなる長時間作業を生みます。
そのとき、それはもはや T(Tearfulness…感情が高ぶって涙が出る)-BAR へと変貌します。
ブレーキフルードを充填し、しっかりとエア抜きをして――完成しました!
この喜びを表すにはT(…もういいですね!(笑)
作業のご依頼、ありがとうございました。
なお、**8/10(日)~8/17(日)**まで夏季休業を頂戴しております。
ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
【クロモリフレーム】Panasonic FRCC35

ご注文いただいておりました Panasonic クロモリフレーム【FRCC35】 が入荷いたしましたので、組み立てを行いました。
フレームデザインは BD-CG(クラシックグラデーション) で、
カラーは【1C-S3(S.Mシルバー)】および【1C-V9(S.Mブルー)】にてご発注いただいておりました。
「S.M」はスパークルメタリックの略称で、メタルガラスフレークがきらめく、光の当たり方によって美しく表情を変えるカラーリングとなっております。
BB部分にはごく軽く塗装が乗っている場合がありますので、念のためタップを通してネジ山の確認を行っています。
元々の仕上げがとてもきれいで、切粉はほとんど出ませんでした。
ネジ穴をきれいにさらったあとは、BBシェル端面とボトムブラケットが均等に接するように、
BBシェルの端面がBB軸に対して垂直かつ平面になるよう、フェイシング処理を施しております。
これにより、圧力が偏ることなく正しく締結され、BBの耐久性の向上や、回転抵抗の低減につながります。
上から順に、
☑ 加工前
☑ 加工中
☑ 加工後 の写真となります。
加工中の写真では、BBシェル上半分に塗装が残っているのがお分かりいただけるかと思います。
このような状態でフェイシング加工を行わずにBBを取り付けた場合、端面への圧力が上下で不均一になってしまうことが予想されます。
とはいえ、昔の調整式BBとは異なり、現在主流のシールドベアリングBBでは、この加工によってベアリングの回転が明らかにスムーズになるような違いは、正直なところ体感できないでしょう。
実際、Panasonicのフレームは無加工でも十分な仕上がりですので、そのままでも問題なく組み付けできます。
ですが——
長く、大切に乗っていただけるクロモリフレームだからこそ、
そしてせっかく当店でお選びいただいたPanasonicクロモリフレームですので、
「できることは、しっかりやっておきたい」という思いで、丁寧に加工を施しております。
完成しました。
カーボン全盛の時代ではありますが、やはりトラディショナルな細身のクロモリフレームには、
他にはないクラシックで落ち着いた魅力がありますね。
そんなクロモリフレームのタイムレスな美しさを、
カンパニョーロのコンポーネントがさらに引き立ててくれています。
当店のお客様の中にも、カーボンバイクに加えてPanasonicのクロモリを増車されたところ、
気づけばそちらばかり乗るようになってしまった…という方がいらっしゃいます。
クロモリバイクは、最新素材とはまた異なる独特の魅力を持つ存在です。
昔ながらのスチール素材の延長線上にあるこのバイクは、乗れば乗るほどじんわりと愛着が湧いてくる、そんな不思議な魅力があります。
カラーを厳選して注文し、完成までのうずうずするような待ち時間も、完成車にはない楽しみのひとつかもしれません。
お手元に届いたフレームは、大阪のPOS工房で職人さんが一つひとつ丁寧に仕上げた、あなただけの一台。
きっとこれから、長く愛着をもってお乗りいただけることと思います。
この度はご注文、誠にありがとうございました。
ちなみにこのシートステイにある小さな突起、何かご存じでしょうか?
これは、後輪を外した際にチェーンを引っ掛けておくためのフックで、
チェーンがカチャカチャ暴れないようにしてくれ、車載や輪行時に地味に便利なんです。
最近のフレームではあまり見かけなくなった、いわば絶滅危惧装備。
でも、こういったクラシカルで実用的なディテールにクロモリフレームらしい味わいがありますね。
【フレームセット】FOCUS IZALCO MAX9

現在、8月29日までの期間限定で、ロードバイクのフレームを198,000円にて下取りさせていただく【お得すぎるキャンペーン】を実施中の「FOCUS IZALCO MAX9」。
今回はそのキャンペーンをご利用いただき、FOCUSのフラッグシップモデル【IZALCO MAX9】への組み換え作業をご依頼いただきました。
完成しました。
FOCUSロゴはトップチューブ上に配置され、
全体として非常にシンプルで洗練されたデザインに仕上がっています。
ハンドル周りはFOCUS純正ではなく、DEDAで統一。
S-DCRカバーキットを使用し、剛性と軽さを両立したノーマルステム【DEDA SUPERZERO】と、軽量カーボンハンドル【DEDA SUPERLEGGERA】で組み上げました。
ポジション変更も容易です。
また【DEDA SUPERZERO】ステムは、別売りのフェイスプレートに交換することで、統一感のあるデザインのDEDA純正サイクルコンピューター/ライトマウントを装着可能です。
旧作のIZALCO MAX9フレームセットから、今作ではトータル42gの軽量化が実現されています。
しかし、実はフォーク単体では10g強の増加。デザインの巧みさによって全体はスマートにまとまっていますが、実際にフォーク単体を手に取ると、しっかりとした“マッチョ”なボリューム感が印象的です。
そして乗ってみると、コーナリング時の安心感や、ダンシング時のダイレクトな反応など、随所で「わざわざ少し重くしてまで優先された剛性」のありがたみを実感できます。
現代のロードバイクに求められる性能を徹底的に追求した、フラッグシップモデルにふさわしい【FOCUS IZALCO MAX9】。
現在、当店でも(珍しく…笑)数台のご予約をいただいております。
お得なキャンペーンは8月29日まで。ぜひこの機会をご活用いただき、お乗り換えをご検討ください。
【オーバーホール】Cannondale

Cannondaleの名車「CAAD13」をオーバーホールでお預かりしました。
これから各パーツの状態を確認しながら、分解していきます。
普段なかなか分解することのないBB(ボトムブラケット)周りもチェック。
CANNONDALEクランクの取り外しには、シマノ製とは異なる工具が必要になります。
アクスルのグリスはやや汚れていましたが、BB内のベアリングは良好な状態を保っていました。
また、ヘッドベアリングも状態良好で、引き続き使用可能です。
フレームからコンポーネントを取り外し、しっかりと洗浄いたしました。
ベアリングは、少しでも長く良好な状態を保てるよう、しっかりとグリスを塗布して組み上げていきます。
また、ブレーキフルードも新たに充填し、時間をかけてエア抜きを行いました。
組み上がりました。
チェーンはまだ消耗が進んでいなかったため、洗浄・注油を行い、そのまま再使用しています。
バーテープも状態が良く、交換するには少々もったいない印象でしたので、慎重に剝がして再利用しました。
また、ダウンチューブ上部のアウターケーブル受け(小さなボルトで固定されている部分)は、汗の影響で固着しやすいため、しっかりとグリスを塗布して組み付けました。
また、1か月後の点検もお気軽にご相談ください。
この度はオーバーホールのご依頼をいただき、誠にありがとうございました。