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【クロモリフレーム】Panasonic FRCC35

ご注文いただいておりました Panasonic クロモリフレーム【FRCC35】 が入荷いたしましたので、組み立てを行いました。
フレームデザインは BD-CG(クラシックグラデーション) で、
カラーは【1C-S3(S.Mシルバー)】および【1C-V9(S.Mブルー)】にてご発注いただいておりました。
「S.M」はスパークルメタリックの略称で、メタルガラスフレークがきらめく、光の当たり方によって美しく表情を変えるカラーリングとなっております。
BB部分にはごく軽く塗装が乗っている場合がありますので、念のためタップを通してネジ山の確認を行っています。
元々の仕上げがとてもきれいで、切粉はほとんど出ませんでした。
ネジ穴をきれいにさらったあとは、BBシェル端面とボトムブラケットが均等に接するように、
BBシェルの端面がBB軸に対して垂直かつ平面になるよう、フェイシング処理を施しております。
これにより、圧力が偏ることなく正しく締結され、BBの耐久性の向上や、回転抵抗の低減につながります。
上から順に、
☑ 加工前
☑ 加工中
☑ 加工後 の写真となります。
加工中の写真では、BBシェル上半分に塗装が残っているのがお分かりいただけるかと思います。
このような状態でフェイシング加工を行わずにBBを取り付けた場合、端面への圧力が上下で不均一になってしまうことが予想されます。
とはいえ、昔の調整式BBとは異なり、現在主流のシールドベアリングBBでは、この加工によってベアリングの回転が明らかにスムーズになるような違いは、正直なところ体感できないでしょう。
実際、Panasonicのフレームは無加工でも十分な仕上がりですので、そのままでも問題なく組み付けできます。
ですが——
長く、大切に乗っていただけるクロモリフレームだからこそ、
そしてせっかく当店でお選びいただいたPanasonicクロモリフレームですので、
「できることは、しっかりやっておきたい」という思いで、丁寧に加工を施しております。
完成しました。
カーボン全盛の時代ではありますが、やはりトラディショナルな細身のクロモリフレームには、
他にはないクラシックで落ち着いた魅力がありますね。
そんなクロモリフレームのタイムレスな美しさを、
カンパニョーロのコンポーネントがさらに引き立ててくれています。
当店のお客様の中にも、カーボンバイクに加えてPanasonicのクロモリを増車されたところ、
気づけばそちらばかり乗るようになってしまった…という方がいらっしゃいます。
クロモリバイクは、最新素材とはまた異なる独特の魅力を持つ存在です。
昔ながらのスチール素材の延長線上にあるこのバイクは、乗れば乗るほどじんわりと愛着が湧いてくる、そんな不思議な魅力があります。
カラーを厳選して注文し、完成までのうずうずするような待ち時間も、完成車にはない楽しみのひとつかもしれません。
お手元に届いたフレームは、大阪のPOS工房で職人さんが一つひとつ丁寧に仕上げた、あなただけの一台。
きっとこれから、長く愛着をもってお乗りいただけることと思います。
この度はご注文、誠にありがとうございました。
ちなみにこのシートステイにある小さな突起、何かご存じでしょうか?
これは、後輪を外した際にチェーンを引っ掛けておくためのフックで、
チェーンがカチャカチャ暴れないようにしてくれ、車載や輪行時に地味に便利なんです。
最近のフレームではあまり見かけなくなった、いわば絶滅危惧装備。
でも、こういったクラシカルで実用的なディテールにクロモリフレームらしい味わいがありますね。