What’s New
【オーバーホール】CANYON

キャニオンのロードバイクをオーバーホールのためお預かりしました。
あわせて、ハンドル固定ボルトが回らないとのことで該当部品もお持ち込みいただきました。
作業を開始したところ、4mmの六角ボルトが完全になめており、工具がかからない状態でした。
このボルトはヘッドパーツ奥にあり、つかむことも加熱することもできません。周囲がカーボンのためです。
ここが外れないと、ヘッドベアリング寿命=フレーム寿命となるため、慎重に対応しました。
取れました。
ロードバイク乗り風に言えば、
「いやー、別に簡単だったよ」。
…これはヤセ我慢の文化です。
「こんな大変なことを簡単という俺をリスペクトしろ」という、シャイなロードバイク乗りの承認欲求のあらわれでもあります。
ロングライドの距離感も、メカいじりの難易度も――先人たちの“簡単”を真に受けてはいけません。
改めて言いますね。
「いやー、別に簡単だったよ」(笑)
この輪っか(ヘッドパーツ)も、ハンドルのコラム(棒の部分)にミッチリはまり込んで、まったく外れませんでした。
三蔵法師がどこかで呪文を唱えているのかと思いましたが、
原因は――内側に結晶化した汗の塩分。
努力が起こしたケミストリーで外れなくなっていたわけです。
もう一度言いますね。
「いやー、別に簡単だったよ」(笑)
もはや頭の中ではエンドロールが流れそうになるのをこらえつつ、
平常心でいつもの工程へ。
フレームからコンポーネントを取り外し、洗浄しました。
チェーンの摩耗もほとんどなく、状態は良好。
そのため、洗浄して再利用いたします。
ハンドル周りを組み立て、車体に取り付け。
ブレーキフルード充填。
お持ち込みパーツを交換しながら、組み立てを進めていきます。
☑ リムテープ
☑ ハンドル固定ボルト
☑ヘッドベアリング
☑ シートポスト固定ボルト
☑ ディスクローター(2枚)
☑ ブレーキキャリパー
☑ 右STIレバー
☑ レバーフード
☑ バーテープ
完成しました。
汗がかかりやすい部分には、しっかりグリスを塗布して組み上げておりますので、
ヘッド周りの固着も以前より起こりにくくなっているかと思います。
今回はオーバーホールのご依頼、誠にありがとうございました!
…もう一度言い……もういいですね!(笑)