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【インプレ】FOCUS IZALCO MAX

こんにちは。
FOCUS IZALCO MAXをマイバイクとして組み上げ、約400km走行しましたので、今回はそのインプレッションをまとめてみました。
あくまで一ライダーとしての率直な感想ですが、購入を検討されている方や、前作からの乗り換えを考えている方の参考になれば幸いです。
ライダー情報・バイクスペック
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身長/体重:168cm/56kg
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フレームサイズ:S
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タイヤ:Panaracer AGILEST DURO 28C
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ハンドル周り:DEDA S-DCRシステムに換装済(詳細後述)
コーナーリング性能
ライダーとの相性もありますが、乗り始めから思い通りにコーナーをトレースできる感覚がありました。
体重移動にも過敏すぎず、自然と視線の先へバイクが進んでいく印象。小刻みにライン修正をするストレスも少なく、これまでで最もリラックスして下りを楽しめた一台です。
ダンシング性能
振りの軽いバイクをブンブン振って登りたい人には、ややもっさりと感じるかもしれません。
実際、強引に振っても推進力にはつながりづらく、「あれ?」と拍子抜けする場面も。
ですが、比較的穏やかに立ち上がろうとするバイクのリズムに合わせたダンシングを意識すれば、省エネかつしっかり前に進んでくれます。
乗り心地
昔の20Cタイヤ+8bar時代を知る人間からすると、28C×ディスクブレーキ仕様の今どきロードはすべてが極上に感じられます。
このバイクも例外なく快適。
荒れた舗装程度は難なくこなし、ひび割れが物理的に浮き出たような区間ではリアの跳ねが少しだけ。
ただしこれは、「前作を知るライダーが乗ればすぐわかる軽快な反応性」とのトレードオフと考えれば納得です。
ヒルクライム性能
重量剛性比を追求したような超軽量バイクと比較すれば、軽快「感」は薄め。しかし、ギヤをかけても、ケイデンスを上げても、入力を一瞬で均し、安定した推進力へと変換してくれる印象です。そのおかげで、ライダーは心拍やパワーがレッドゾーンに入らないよう、綱渡りのようなヒルクライムに集中でき、まさに「良質な登坂環境」を提供してくれるバイクです。
エアロ性能
僕の感覚では、エアロ効果はまったく体感できません(笑)。
おそらくタイムを計測しないとわからない領域でしょう。
ただすごいのは、エアロ形状のフレームを使っていながら、素晴らしいコーナリング性能やダンシング性能等、操作性や挙動が犠牲になっていない点。
【わかりにくいエアロ性能】のために、【わかりやすい性能】が犠牲になっていない。
45km/hでの巡航は僕には無縁ですが、そんな“オマケ性能”なら大歓迎です。
スプリント性能
1000Wも出ない自分には測定不能な分野ですが、引き足を意識したシッティングアタックを仕掛けるような踏み方では、シャープな反応を感じました。
ポジション出し
前作よりシートアングルが立っており、前乗り気味のライダーにも対応。ただし、極端な前乗りにはゼロオフセットポストが必要になる可能性があり、専用ポスト仕様のため他社製ポストには交換できない点に注意が必要です。
一方、ハンドル周りのポジション調整は高い自由度があります。純正C.I.S.ステムに加え、軽量化や調整範囲を求めるならDEDA DCRとの組み合わせがおすすめ。上ベアリングをDCR用に交換することで、DCRトップカバーや多彩なステム・ハンドルが使用可能になります。
今回の組み上げでは、S-DCRカバーキット+ノーマルステムで軽量化も実現しました。
まとめ
約400kmほど走ってみましたが、IZALCO MAXに対して不満はまったく見つかりませんでした。
「乗りやすい」「クセがない」というインプレを見ていたので、正直なところアラを探してやろうと意気込んでいたくらいです(笑)。それでも、本当に乗りやすくて驚きました。
「クセがない自転車」とは何か、自分なりに考えてみたのですが、
特定の動きにだけ過剰に反応したり、逆に鈍かったりすると、それが全体のバランスから浮いて「クセ」と感じるのかもしれません。
その点、IZALCO MAXはペダリング、コーナリングともに一貫して安定したライドフィールで、走行中に「チグハグさ」を感じません。
ライダーが余計なことを考えず、エンジンとしての役割に集中できるバイクだと思います。
前作も当店では非常に人気があり、皆さん満足されていて、なかなか乗り換えてくれません…(笑)。
つい先日も、還暦を超えたお客様が前作IZALCO MAXで300km走った後、点検にいらっしゃいました。
新型は、そんな従来の安定感をしっかりと受け継ぎながら、推進力やコーナリング性能がさらに進化しています。
見た目は派手さこそありませんが、乗れば乗るほど、その良さがじわじわと伝わってくるタイプのバイクです。
「目立たなくても、自分だけが知っていればいい」——そんな風に思わせてくれる一台。
今後も、幅広いライダーに愛されるバイクになるはずです。