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【レース前点検】Dura-Aceパーツ

レース前点検でお預かりしたバイクの整備です。
かなり走り込まれている様子で、チェーンにはしっかり注油されており状態は良好でしたが、チェーンチェッカーで確認したところ、すでに交換基準を超えるほど伸びていました。
本来であれば、チェーンのみ交換してスプロケットとの相性を確認するのが理想ですが、今回はレース直前ということもあり、チェーンとスプロケットを同時に交換しました。
レースでは、練習時には出ないような高出力が出ることもあり、それによって思わぬ不具合が表面化する場合もあります。そういったトラブルを避ける意味でも、事前にしっかり対応できて良かったと思います。
もともとデュラエースをご使用でしたので「グレードアップ」というわけではありませんが、それでもやはりデュラエースは特別な存在。
世界中のトップ選手が信頼して使っている、伝達効率・耐久性・軽量性を高次元でバランスさせた究極のパーツです。
「プロじゃないから…」と尻込みされる方もいらっしゃいますが、私たちだって、仕事をして、早送りで家事をこなし、やっと手に入れた時間で練習し、レースに挑んでいるのです。
だからこそ、妥協のないパーツで、自分の努力を後押ししてあげましょう!
全力で頑張ってきた気持ち、成仏させてあげてください!笑
【インプレ】FOCUS IZALCO MAX

こんにちは。
FOCUS IZALCO MAXをマイバイクとして組み上げ、約400km走行しましたので、今回はそのインプレッションをまとめてみました。
あくまで一ライダーとしての率直な感想ですが、購入を検討されている方や、前作からの乗り換えを考えている方の参考になれば幸いです。
ライダー情報・バイクスペック
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身長/体重:168cm/56kg
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フレームサイズ:S
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タイヤ:Panaracer AGILEST DURO 28C
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ハンドル周り:DEDA S-DCRシステムに換装済(詳細後述)
コーナーリング性能
ライダーとの相性もありますが、乗り始めから思い通りにコーナーをトレースできる感覚がありました。
体重移動にも過敏すぎず、自然と視線の先へバイクが進んでいく印象。小刻みにライン修正をするストレスも少なく、これまでで最もリラックスして下りを楽しめた一台です。
ダンシング性能
振りの軽いバイクをブンブン振って登りたい人には、ややもっさりと感じるかもしれません。
実際、強引に振っても推進力にはつながりづらく、「あれ?」と拍子抜けする場面も。
ですが、比較的穏やかに立ち上がろうとするバイクのリズムに合わせたダンシングを意識すれば、省エネかつしっかり前に進んでくれます。
乗り心地
昔の20Cタイヤ+8bar時代を知る人間からすると、28C×ディスクブレーキ仕様の今どきロードはすべてが極上に感じられます。
このバイクも例外なく快適。
荒れた舗装程度は難なくこなし、ひび割れが物理的に浮き出たような区間ではリアの跳ねが少しだけ。
ただしこれは、「前作を知るライダーが乗ればすぐわかる軽快な反応性」とのトレードオフと考えれば納得です。
ヒルクライム性能
重量剛性比を追求したような超軽量バイクと比較すれば、軽快「感」は薄め。しかし、ギヤをかけても、ケイデンスを上げても、入力を一瞬で均し、安定した推進力へと変換してくれる印象です。そのおかげで、ライダーは心拍やパワーがレッドゾーンに入らないよう、綱渡りのようなヒルクライムに集中でき、まさに「良質な登坂環境」を提供してくれるバイクです。
エアロ性能
僕の感覚では、エアロ効果はまったく体感できません(笑)。
おそらくタイムを計測しないとわからない領域でしょう。
ただすごいのは、エアロ形状のフレームを使っていながら、素晴らしいコーナリング性能やダンシング性能等、操作性や挙動が犠牲になっていない点。
【わかりにくいエアロ性能】のために、【わかりやすい性能】が犠牲になっていない。
45km/hでの巡航は僕には無縁ですが、そんな“オマケ性能”なら大歓迎です。
スプリント性能
1000Wも出ない自分には測定不能な分野ですが、引き足を意識したシッティングアタックを仕掛けるような踏み方では、シャープな反応を感じました。
ポジション出し
前作よりシートアングルが立っており、前乗り気味のライダーにも対応。ただし、極端な前乗りにはゼロオフセットポストが必要になる可能性があり、専用ポスト仕様のため他社製ポストには交換できない点に注意が必要です。
一方、ハンドル周りのポジション調整は高い自由度があります。純正C.I.S.ステムに加え、軽量化や調整範囲を求めるならDEDA DCRとの組み合わせがおすすめ。上ベアリングをDCR用に交換することで、DCRトップカバーや多彩なステム・ハンドルが使用可能になります。
今回の組み上げでは、S-DCRカバーキット+ノーマルステムで軽量化も実現しました。
まとめ
約400kmほど走ってみましたが、IZALCO MAXに対して不満はまったく見つかりませんでした。
「乗りやすい」「クセがない」というインプレを見ていたので、正直なところアラを探してやろうと意気込んでいたくらいです(笑)。それでも、本当に乗りやすくて驚きました。
「クセがない自転車」とは何か、自分なりに考えてみたのですが、
特定の動きにだけ過剰に反応したり、逆に鈍かったりすると、それが全体のバランスから浮いて「クセ」と感じるのかもしれません。
その点、IZALCO MAXはペダリング、コーナリングともに一貫して安定したライドフィールで、走行中に「チグハグさ」を感じません。
ライダーが余計なことを考えず、エンジンとしての役割に集中できるバイクだと思います。
前作も当店では非常に人気があり、皆さん満足されていて、なかなか乗り換えてくれません…(笑)。
つい先日も、還暦を超えたお客様が前作IZALCO MAXで300km走った後、点検にいらっしゃいました。
新型は、そんな従来の安定感をしっかりと受け継ぎながら、推進力やコーナリング性能がさらに進化しています。
見た目は派手さこそありませんが、乗れば乗るほど、その良さがじわじわと伝わってくるタイプのバイクです。
「目立たなくても、自分だけが知っていればいい」——そんな風に思わせてくれる一台。
今後も、幅広いライダーに愛されるバイクになるはずです。
【オーバーホール】CANNONDALE SuperSixEVO

キャノンデールの名車、SuperSix EVOをオーバーホールさせていただきました。
この時代のキャノンデールといえば、やっぱりグリーン!
サガン選手の活躍を思い出す方も多いのではないでしょうか。
それでは、さっそく作業に取り掛かっていきます。
今回はオプションでハブメンテナンスもご依頼いただきましたので、ハブも分解して作業していきます。
取り外して洗浄したコンポーネントがこちら。
右上の小さなカゴに入っているのが、分解したハブのパーツ類です。
リムブレーキ車のアルミリムには、どうしてもブレーキシューの汚れが付着してしまいます。
ご自身でクリーニングに挑戦してみたものの、あまりの頑固さに途中でさじを投げた……そんな方も多いのではないでしょうか(笑)
とはいえ、当店においてもこれはリム片面につき獲得標高50メートル分ヒルクライムするくらいの根性作業。
それでもせっかくの機会ですので、しっかりキレイにしておきます!
フレームも洗浄・コーティングを済ませ、組み立てに取りかかります。
組み立て時には、こちらの【GIANT CONTACT SLR HANDLEBAR】に交換していきます。
超軽量165グラムながら、ロードレースに必要な剛性をしっかり備えた高性能ハンドルです。
最近流行りのフレア形状でもあり、軽量ハンドルをお探しの方におすすめのモデルです。
ただし、当店では取り扱いがありませんので、お求めの際は【GIANTSTORE 広島宇品】さんへ!
組み立て作業を進めていきます。
変速のチェック中、インナー → アウターへの切り替え時に、3回に1回ほどチェーンリングの歯先にチェーンが乗ってしまい、うまく変速しないという症状が出ました。
よく観察してみると、歯のひとつがわずかに曲がっており、その箇所でチェーンが引っかかっていたようです。
おそらく新品チェーンに交換したことで、かえって症状が顕著に出たのかもしれません。
慎重に歯を修正したところ、症状は再発せず、今のところ問題なく動作しています。
毎回出る不具合なら気づきやすいのですが、今回のようなたまに出る症状は見落としやすいため、発見できて本当に良かったです。
しばらく様子見となりますが、現状は良好です。
あ、ちなみにブレた写真で刻印が見えませんが、チェーンの裏表はちゃんと合ってますのでご安心ください!
完成しました!
コラムカットも施し、ハンドル周りもすっきりとした印象に仕上がっています。
GIANTの軽量ハンドル、コンパクトでとてもいい感じです。
この車種では、リヤブレーキケーブルのアウター受けがヘッドチューブに設けられており、リヤブレーキケーブル長が比較的短いのが特徴です。
ですのでケーブル長が短すぎても良くありませんが、長すぎるとケーブルが突っ張ってハンドリングに悪影響を及ぼすため、
適切な長さを見極めながら組み立てました。
また、1か月後の無料点検もお気軽にお越しください。
このたびは作業のご依頼、誠にありがとうございました!
【持ち込みフレーム組立】Cervélo

お持ち込みいただいたCervélo(サーベロ)のフレームを組み立てさせていただきました。
BB(ボトムブラケット)はCervélo独自規格の「BBRight」を使用しておりますが、メーカー欠品のためしばらく入荷待ちとなり、お時間をいただいてしまいました。
コンポーネントはShimano 105で組み上げております。
組み立てが完了しました。
登場からは少し時間が経っているモデルではありますが、今見ても存在感・迫力あるルックスです。
かつて、同じようなケーブルルーティンのGIANT初代プロぺルをよく組んでいた経験から、トップチューブ上から入るこのケーブルの取り回しには、ついこだわってしまいます。
このCervéloは、ハンドルを約45度切るとストッパーがかかる構造のため、余分な長さを取らずに、かなり攻めたケーブル長で仕上げることができました。
ケーブルの初期伸びやハンドルまわりの増し締めなど、無料の初期点検も承っておりますので、お気軽にご来店ください。
この度は作業のご依頼、ありがとうございました!
【レーダー付きテールライト】ライド中の“気疲れ”を減らそう

「運転は、認知・判断・操作の繰り返し」とよく言われます。
なかでも“認知”ができなければ、正しい判断はできません。
これはクルマだけでなく、ロードバイクにもそのまま当てはまります。
たとえば、カーブを抜けた直後に、タイヤがハマりそうな穴が現れたとします。
避けるか、止まるか。バニーホップするか
その判断、後ろから車が来ているかどうかで大きく変わってきますよね。
そんなときに役立つのが、レーダー付きテールライトと対応サイクルコンピューター。
後方から接近してくる車を 100メートル以上 手前から検知し、サイクルコンピューターからの音と表示で知らせてくれます。
後方確認できるグッズとしてはハンドルに着けるミラーもありますが、
ミラーが「プル型通知(自分で見る)」なのに対して、
レーダーは「プッシュ型通知(勝手に教えてくれる)」という感じ。
体力に余裕があるときは、どちらでもいいかもしれませんが、
ロングライドの後半や、暑い日のヒルクライム後など、
疲労を感じてきた際にどちらが良いかは明白ですよね。
僕も数年前にガーミンのレーダーを導入しましたが、
「まだ車来てないよね…」と必要以上に後ろを確認する機会が減り、
“来ていない車にビクビクする”気疲れが減って精神的な疲労がグッと軽くなりました。
そんな快適すぎるレーダーですが、最近ではフォロワー製品も続々登場しています。
今回ご紹介するのは、iGPSPORTの「SR mini」。
このモデルの特徴は
✅ 13,750円と手頃な価格
✅ わずか50gの超軽量設計
これまで「高くて手が出しにくいな」と感じていた方にも、ぴったりな一台です。
ついに“気軽にレーダーデビューできる時代”が来たなと実感しています。
当店にも1つ在庫がありますので、気になる方はぜひ実物をご覧ください。
なお、使用には対応するサイクルコンピューターが必要です。
「よくわからない」という方も、お気軽にご相談ください。
お客様のバイク環境に合わせて、最適な組み合わせをご案内します。
※レーダーはあくまで補助装置です。
最終的には視覚・聴覚での確認を最優先に、安全にご使用ください。