店長の日記
ツール・ド・ゆう 年代別&総合優勝しました
30代の部&総合優勝しました。
久々のレース参戦記となります。
時間がもったいないので、忙しい人は読まないでください(笑)
〈燃え尽きてからの2年〉
最後に更新した【店長の日記】は、二年近く前の全日本選手権マスターズ。
あのあと私は一旦燃え尽き、すっかり 太田川ポタリングおじ になっていた。
早起きできた日だけ太田川沿いをのんびりサイクリング。
四季の移ろいを感じながら健康維持ーー
なんて素晴らしい、丁寧な暮らし。
気管支に鈍痛、口の中に鉄の味が広がるようなレースなんて野蛮なことはもう御免。
アリストテレスさんだって「やりすぎは悪。中庸が徳」と言っていたはず。
私はこのまま丁寧なサイクリングライフを続けてゆくのよ——
…と思っていた。
〈なぜこうなった〉
そして今年10月。私はパソコンの進むと戻るのボタンを繰り返していた。
ツール・ド・ゆうのエントリーページである。
なぜこうなったのかさっぱり分からない…
何度か天使と悪魔が戦ったのち、エントリーボタンが押下された。どちらが悪魔かは不明。
しかしレースはすでに来月(11/30)に迫っている。
散歩しかしてないのにマラソン大会に申し込むようなものだ。
試しに昔やっていた5本セットのメニューをやってみたところ
なんと5本目がこなせず、つまり調子の良し悪しを判断するモノサシにすら達していないということである。
ワラにもすがる思いで、流行りのチャッピーに聞いてみた(すでに10/14)。
そこには自分ではまずやろうと思わないメニューが並び、
火水木に至っては完全に仕事前に廃人にする気である。
???「速くなりたいか……」
私「ハヤク…ナリタイ……」
こうして昭和61年製の若干年季の入ったエンジンは令和AIの奴隷となり下がり
いばらの道を歩んでいくのだった(笑)
お茶のパッケージの温め目安にすら恐怖する。
もう踏めないよ…
〈レース前日〉
ヒルクライムで大敵なのは スタート前の冷え。
富士ヒルも西チャレも、ひどい目にあった時はだいたいスタート前の冷えが原因であった。
今回はドラッグストア“ウォ◯ツ”にて 20gのウィンドブレーカー を入手。
最悪荷物預けに間に合わなくても、背中に入れて走ればいい。
夜、近所で試着しながら少し散歩してみたが、なかなか効果を感じる。
帰宅してドアを開けたら、普段は膝でゴロゴロ言う愛猫が
「やんのかステップ」になっていた。
〈機材〉
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バイク:FOCUS IZALCO MAX(7.3kg)
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ホイール:DURA-ACE C36
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タイヤ:AGILEST FAST TLR 28c(前後4.4bar)
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ギヤ比:50-34T / 11-34T
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ライダー重量:52.3kg
〈レース当日〉
普段は落ち葉と枯れ枝で荒れた銭壺山の道。
今日はスタッフさん達のおかげで、しっかりとレースコースに整備されている。
お気に入りの駐車スペースに車を停め、
まるで一流ビジネスマンのように、
Googleカレンダーに刻まれた分単位のタスク通りに進めていく。
10:09、スタート!
クリートキャッチは抜群の出来、ここで久々のレースの高揚感で踏みまくってしまい単独に。
足は軽く感じるのに出力は400wを超えている、明らかにやりすぎパターンである。
スタート数百メートルほどの緩斜面で向かい風に見舞われ、早くもブラケット土下座スタイルに。
単独走になったことを少し後悔する。
すでにスタートした他カテゴリの選手の方をパスしつつ、ペースを守るよう努める。
しかしやはり前半踏みすぎており、中盤の平地で伸びない。
ここまで来たらあとは気合しか残っていない。
ラスト1km、応援が疲労にまみれた身体を突き動かす。応援のありがたみは年を重ねるごとに効果を増してゆく。
ゴール!22分56秒。
2023年の自己ベストから約30秒落ち。
人生2番目のタイム。
45日という短期間ではあったが、毎日積み重ねればここまで戻すことができた。
この充実感はレースに取り組み、終わったあとでしか得られないものである。
結果は冒頭の通り。
〈ヒルクライマーになる権利〉
思えば、ヒルクライムにお金を払って参加するというのは、
“当日走る権利”だけではなく、
「その日までヒルクライマーとして生きる権利」
を購入することでもある。
お腹がすいた時、忙しい時…
日常のあらゆる場面で
「私はヒルクライマー」という選択基準を持つ日々。
その積み重ねがあるからこそ、
達成したときに得られるこの充実感がある。
ヒルクライマーごっこは、エントリーした瞬間から始まっているのだ。
ああ、楽しかった…!
応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
初出場で表彰のMさんもお見事でした!







